約150年前の養蚕農家を改修した、
1日1組限定の古民家の宿
慶応4年に建てられた3階建て養蚕農家の古民家(築148年)を再生し、但馬では初めての宿「こころの里 懐(かい)」を2015年の5月16日にオープンしました。
養父市の大屋町は昔、養蚕農家と言って、1階を住まいにし家の中で牛も飼い、2階・3階で蚕を飼って生計を立てていました。
養蚕農家は、木と竹と土壁を使った木造家屋です。少しでも効率よく蚕を飼えるように3階建てにした為に各階の天井が低いのが特徴です。
1階から3階は住居に、牛小屋はパン工房に改修しました。外にあったトイレと風呂は、室内に作り直しました。
出来るだけ昔のままにこだわって、外壁、内壁とも保湿効果のある土壁を塗り直し、クロス壁紙は一切使用していません。
また、建具も雨や水が当たって腐りやすい所以外は木製建具で昔の飾りガラスのままです。瓦も寒さに強い石州瓦を使用しています。
伝統的な家屋特有の温かみや季節感を五感で感じていただけます。
ただし、背の高い人は、天井の低いのが気になるかもしれませんが、2階建てに改修すれば養蚕農家の特徴を損ないますので、他では味わえない田舎体験と思ってお楽しみください。
こころの里懐では、囲炉裏をご用意しております。
夕食と朝食は、この囲炉裏を囲んで創作薬膳料理を召し上がっていただきます。
お客様1人1人の出会いを大切にしています
都会で生まれ育った私達には、田舎と呼べるところがありませんでした。
子供たちを田舎で育てたい。子供たちに「ふる里」と呼べるところを作ってあげたい。ゆくゆくはペンション経営をしたい。との思いから1年かけて田舎を探し、子供の小学校入学に合わせて92年に大屋町に移住しました。当時は移住者の前例もなく「Iターン」という言葉もありませんでした。
当初、町営住宅に住みながら古民家の空き家を探しましたが、空き家があっても都会から来た「よそ者」には貸してもらえませんでした。スキー場のロッジを夫婦で任されるようになり、探していた気に入った空き家(現在の宿)もやっと見つかり、スキー場の社宅として貸してもらえるようになりました。ロッジで15年働きながら、私は宿泊業の勉強し、妻はパン作りと薬膳料理を習得しました。
5年位してやっと直接家を貸してもらえるようになり、20年経ってやっと借家を購入する事ができ、子供も独立しそれを機にロッジを辞めて、自宅を改修し長年の夢である宿を私達夫婦で開業しました。
田舎のない人の為のふるさとに、疲れを癒したい人や気持ちをリフレッシュしたい人の宿に、都会の雑踏を離れた休息の場に、たまには誰からも干渉されず過ごせる隠れ家に・・・
どこか昔の「懐かしさ」を思い出し、身体を癒すだけでなく、心を癒せる「こころの里」になりたいと思い、周りを気にせず、ゆっくりと過ごしていただけるように1日1組限定にこだわりました。
そんな思いから屋号を『こころの里 懐』にしました。
お客様1人1人の出会いを大切にし、楽しい語らいのある宿を目指しています。
山々に囲まれた静かな古民家で、川の流れる音、鳥のさえずり、鹿の鳴く声を聴きながら、薪でわかす2種類の生薬入りの2つの五右衛門風呂に入り、囲炉裏を囲んで創作薬膳料理を召し上がっていただきます。
自然に囲まれた静かな特別な空間で、美味しい創作薬膳料理を召し上がって五感を満たし、心ゆくまでゆっくりおくつろぎください。
そして心身ともに元気になってお帰りください。そしてまた、来年「ただいま!」と里帰りしてください。